実践!スポーツ中医学 (表紙)

〜マラソンも登山もゴルフも、より強く、より楽に、より安全に〜

「実践!スポーツ中医学」
谷中博史著 健康情報館発行 B6判、168頁、並製 定価1000円+税

 国超高齢化社会を乗り切るために中高年のスポーツ普及に力を入れています。しかしスポーツの現場を見てみると、長嶋茂雄さんが脳梗塞に倒れ、高円宮様もスカッシュで急死されました。運動中の突然死はゴルフが1位、ランニング、ゲートボール、登山、水泳と続きます。登山遭難死の90%は中高年です。骨折も増えています。若い人に目を向けても、女子高校生駅伝選手の23%が無月経で、骨粗鬆症も多くなっています。
 しっかりと身体のケアをせずに取り組むために、健康によいはずの運動が不健康を招くもとになっているのです。
 運動をするということは、身体に負荷をかけることです。いわば、一時的にせよ病気に近づくことになります。病気になることがわかっているなら「未病先防」(病気になる可能性があれば、未然に対処して発病を防ぐ)で対処しておけば、安全で楽になり、記録を伸ばすこともできるでしょう。「未病先防」は中医学の最も重視する考え方で、理論も発達しています。
 本書は、長年漢方関係出版物の編集などを行い中医学に接してきた著者が、自ら中医学の未病対策の手法をスポーツに応用し、未然に事故を予防したり、激しい疲労を回復する方法、スポ中高年者がスポーツに取り組むときの注意点を、著者のガン手術、マラソン、山岳走、ハイキング体験を基に、失敗談も交え臨場感あふれる筆致で紹介しています。
 アテネ五輪でも、その後のパラリンピックでも中国選手の活躍は目を見張るものがありましたが、2008年北京五輪に向かって、ますます中国スポーツ界のコーチング、スポーツ中医学、スポーツ栄養学が注目されることになるでしょう。中高年のスポーツ愛好家はもとより、中高校生を含むすべてのアスリート、指導者にぜひ一読をおすすめしたい内容です。

目次
はじめに

第一章 マラソンとガン手術の共通性
マラソン疲労回復法をガン手術のダメージ回復に応用


真夏の大発汗トレーニングも疲労なく
マラソンしつつガン手術に備える
オヤシラズが腫れて体力低下に追い打ち
一キロメートル走って一〇〇グラムやせる夏の練習
初夏はつい水分を取り忘れて脳梗塞に
″夏のグッタリ″に、生脈散をすすめられる
「汗をかいたら水を飲む」は常識だけど
炎天下の三〇キロメートル走も可能になった
調子が良すぎて、足にマメ、そして膝関節も
麦味参顆粒と人参精で手術に備える
手術で低下していた環境対応力
体調管理は、食品の温性を頭に入れた食事から
腸の粘膜に潤いをもたらして便通を良くする

第二章 齢をとっても、手術をしても好記録
アスリートのパフォーマンスを高める気・血・水の充実と循環


病院のベッドで、マラソン大会出場を申し込み
マラソンを走るには飴一五〇個分のエネルギー消費
フルマラソンを楽々完走する食べ続け作戦
気・血・水のケアで、六日で二回マラソン完走
胃腸の働きが落ちている脱水症状の対策
ネバネバ血液をサラサラにする活血化お
アスリートの敵活性酸素を抑える丹参、丹参製剤
筋肉痛や筋肉疲労も解消する丹参
毛細血管を発達させる丹参
マッサージも気・血・水を巡らせるように
お腹の状態と相談した疲労回復メニュー

第三章 生命力とは免疫力
カゼをひきやすいアスリートの感染症・花粉症対策


自分の体はある程度コントロールできる
カゼをひかない免疫力をつける
粘膜・皮膚にバリアを張るカゼの予防漢方
寒い朝も鼻水が出なくなった
免疫力は生命力の大きな要素
″濡れた体に冷風″実験で効果を発揮
適度な運動量なら免疫力はアップするが… 
免疫力の低下を補いスポーツを楽しむ
なぜ駅伝選手はカゼに弱いのか?
カゼの症状が消えても、全面回復は数週間後
「赤いカゼ」と「青いカゼ」を見極めて
赤いカゼには、抗生物質よりまず漢方薬
板藍根の抗菌作用でノド痛を鎮める
青いカゼには葛根湯だが、ドーピングに
十分な準備が功を奏して好記録

第四章 アスリートは「脾」が命
過酷なレースは病人になるのと同じこと


山中を一昼夜走る日本山岳耐久レースで大失敗
食べ過ぎと腹冷えで冷や汗たらたら
大量に排泄、五〇キロ地点で棄権
消化機能を健胃薬でサポート
冷房病なら冷飲冷食は止めなさい
体に大きなダメージを与える長距離レース
フルマラソン卒業宣言を撤回

第五章 前を登る脚が黄ばんでる
貧血対策、高所対策、中高生アスリート対策


日本一の大会は、もちろん富士登山競走!
高所登山に必須の低酸素対策
高所障害の発生を防いだ沙棘のサプリメント
ランナーはもっと貧血に注意を払おう
中医学の貧血対策は「補血」
中高生女子アスリートの生理と健康問題
女子高生ランナーの二三パーセントが無月経
馬家軍の強さの秘密は食事の知識の深さに
面白い人生を送るために健康に留意する

第六章 山は中高年の発病危険ゾーン
楽で安全な登山のための体づくりに中医学を生かす


急増する中高年登山者の事故
「道迷い」も体力がないことが遠因
体力がないので「滑落」「転倒」
「滑落」「転倒」「骨折」予防法
隠れ未病が激しい運動で噴出
徐々に体力を付け、徐々にグレードを上げる
体力をつければ、もっと山を楽しめる
ゴルフプレー中の突然死を防ぐには
若さを保つには腎の働きを盛んにする
予防にも薬を使う、中医学の「未病」という考え
「未病」の考えをトレーニングに取り入れる

おわりに

著者紹介
谷中 博史(やなかひろし)
 35年にわたりハイキング誌、ウォーキング誌、ガン保険会社PR誌、漢方薬の解説書、健康保険組合誌の編集、執筆等を行う。この間ドイツ、スイス、アメリカのウォーキング事情などを調査。現在、WEBサイト健康マガジン『健康情報館』を主宰。
 47歳6月以降の約半年間に、半月板損傷手術、妻の骨折、大腸ガン手術を経験。ガン手術後4カ月でフルマラソン完走、11カ月後に6日間で2回フルマラソン完走、13カ月後に自己2番目のフルマラソンタイムを記録。54歳で富士登山競走に自己新、日本山岳耐久レース50歳代の部6位入賞。
 健康WEBサイト「健康情報館」http://www.kenko.gr.jp/主宰、AllAboutジョギング・マラソンガイドを担当、及び“えんのおづぬ”のハンドル名で駆け足のサイト「歩いたり走ったり」http://www.asahi-net.or.jp/~tc7h-ynk/を主宰する。