京都大学大学院・家森幸男教授らのグループ

 遺伝的に人間と非常によく似た脳卒中を100%起こす「脳卒中ラット」がいます。私の研究室で開発したのですが、これが脳の血管系の病気解明に大変な力になってくれています。
 そのラットに冠元顆粒を60日間投与したのですが、脳卒中の発症がはっきりと抑えられる結果となりました。冠元顆粒を与えない場合は12匹中8匹と66.7%の発症率だったのが、3.3%の高濃度の冠元顆粒を使った場合はわずか1 匹と8%の発症率でした。その10分の1の濃度0.33%でも発症は3 匹で、発症率にすると25%にすぎません。(図)  
 このラットの血圧は人間とよく似ていまして、最初は130くらい。加齢とともに200〜240くらいの重症になるのが特徴です。その血圧を調べても、冠元顆粒を与えた場合、投与量が多い方がよく下げることもわかりました。
 血圧の高い状態が長く続くと脳卒中が発症する率が高まり、その症状がひどくなることはよく知られていますね。解剖してみると冠元顆粒を投与した場合としていない場合では、脳出血、脳梗塞(脳軟化)などの状態の違いもはっきりとしたんです。
 また、100日までの生存率を調べると、脳卒中の発症を遅らせ血圧を下げることによって他の臓器への影響も軽くなり、延命効果があることも証明されました。
 もう一つ、素晴らしい発見は、頸動脈を30分間しばって脳への血液の流れを少なくした後、そのしばりをといて、再び血流の流れをみた実験です。冠元顆粒を与えた群の血流が早く回復していることが見事に証明されました。このように局所での血液の流れが悪くなりやすい脳で、血液の流れを改善する力があることが証明されつつあるのです。
 では、この冠元顆粒を与えたときになにが起こっているのでしょう。そこで、血管を広げ、血液の凝固と、悪玉コレステロールがさらに悪玉化することを防ぐ作用などがあるNO(一酸化窒素)の働きではないかと考えました。次にそのNOの代謝産物を尿中、血液中と計ってみました。するといずれでも代謝産物が増えており、NOの産生が高まっていることがわかりました。  
 現在は遺伝子レベルでの研究も進めています。これが証明できれば、さらに完全な研究となります。一般に食べ物や医薬品が遺伝子の発現に大きく作用することはわかっています。
 今回の実験で、冠元顆粒に関して、下記のことがわかりました。
 私は『エビデンス』という証拠に基づいた治療、いや予防がこれからの医療には非常に大事だと考えています。そうなれば、長い経験でその効果が証明されてきた、漢方、中国医学が一層、世界中の人々から認められるようになると確信しています。
(談・家森教授)