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〜インフルエンザ予防が花粉症予防にも美肌にも効果〜

実験研究にみる「衛気」

 「衛気」は体を衛(まも)る元気で体表部を巡っているとされますが、中医学に慣れ親しんでいない日本人にはどこか曖昧な漢字のする言葉です。気を盛んにする漢方薬を補気薬といいますが、数多い補気薬の中で「衛気」を盛んにする代表的な補気薬の処方に玉屏風散があります。この玉屏風散を用いた数々の実験研究が発表されているので、その研究をみてみましましょう。「衛気」の働きとはどのようなものなのかがわかります。なお、ここで使用されている「玉屏風散」はいずれも日本で「衛益顆粒」の商品名で販売されている製剤を使用しています。

写真左:玉屏風散の生薬 右:実験に用いられた商品の「衛益顆粒」

実験1〜5:
「衛益顆粒(玉屏風散)治療効果のメカニズム」より 中国中医研究院広安門病院分子生物学研究室 呉志奎教授および次のスタッフ 陳玉英、呂金霞、方素平、李東濤、王雷、柴立民、易傑の各氏
実験6〜7: 「アレルギー性鼻炎病態モルモットモデルによる衛益顆粒の作用解析」より
北海道薬科大学大学院薬学研究科 鹿能 美弘教授

 1 冷風をあてて免疫力を低下させるマウス実験

 対照マウス(比較対照するためのマウス。ここでは衛益顆粒を与えていない群)は、冷風刺激の影響で免疫機能に関係する免疫器官(脾臓と胸腺)の重量が低下したが、実験3日前から衛益顆粒を与えていたマウス(以下「服用マウス」)は、対照群に比べて低下しなかった。このことは、衛益顆粒には寒冷刺激から体を守る働きがあることを示している。中医学的にいうと、冷風を与え続けると「気」が不足する「気虚」の状態になる。衛益顆粒に気を補う働き「補気」作用があることがわかる。

 2 鼻炎を起こさせたラットモデルの粘膜は

 黄色ブドウ球菌を鼻に注入して作った鼻炎ラットモデルを用いた実験。衛益顆粒を与えなかった対照群は、鼻粘膜と気管支粘膜の上皮が脱落し、粘膜は充血して中性白血球とリンパ球の浸潤が見られるが、衛益顆粒を服用させておいたラットの粘膜は、正常ラットの粘膜とほとんど変わらなかった。衛益顆粒に粘膜を守る働きがあることがわかる。 ↑正常なラットの粘膜。組織がしっかりしている。
↑鼻炎ラットの粘膜。上皮の一部が剥がれ落ちている。
↑衛益顆粒を与えた鼻炎ラット。上皮の荒れはほとんどなく正常なラットと同様。

 3 ウイルス感染のマウス実験

 インフルエンザウイルスをマウスの鼻から注入。衛益顆粒を与えなかった群の死亡率は71%、衛益服用マウスは36%で死亡率が約1/2であった。インフルエンザウイルスの増殖も抑制された。ウイルス感染したマウスに衛益顆粒を投与した別途の実験では、肺臓内のインフルエンザウイルスの増殖を抑制する直接的な抗ウイルス作用を示している。

 4 慢性気管支炎に対する治療作用実験

 化学物質(SO2)の刺激によって慢性気管支炎マウスモデルを作った。衛益顆粒を服用させたマウスでは炎症反応が軽く、IgAが増えると同時にマクロファージの貪食能力が増強された。いわゆる免疫力の高まりが示された。 ↑対照群では、異物に対しマクロファージの貪食活動が弱い。
↑衛益服用マウスでは、マクロファージが盛んに異物を取り込んでいる。

 5 寒冷ストレスを受けた後の体重変化

 冷風をあてる寒冷ストレスと遊泳で体力を消耗し体重を低下させたマウスの体重回復実験。対照群は23.6g→28.7g、衛益顆粒の予防的投与群は22.9g→33.4gで回復が早い。生体の全身状態を高めている。

 6 花粉症体質化の予防効果試験

 スギ花粉を5回モルモットの鼻にこすりつけて花粉症化する。対照群はすぐに花粉症の症状が出て次第にひどくなるが、衛益顆粒投与群は、花粉症の症状が出にくく、症状も軽い。

 7 花粉症体質からの回復効果試験

 スギ花粉を与えてモルモットを花粉症にした後、スギ花粉を吸飲させたときの衛益顆粒と投与した群と投与しない群の症状を比較する。衛益顆粒投与群の症状は、花粉症体質化させていなかった正常群に近いレベルに抑えられている。さらにスギ花粉を与える回数が増えても症状が減少傾向を見せている。たんに症状を抑えるだけではなく、花粉症体質が改善されている傾向が見える。

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