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〜インフルエンザ予防が花粉症予防にも美肌にも効果〜

新型インフルエンザ

 新型インフルエンザ 高病原性鳥インフルエンザ

鳥インフルエンザウイルス (平成17年6月26日に茨城県水海道市において発生した鳥インフルエンザウイルスの電視顕微鏡写真 写真提供:独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構 動物衛生研究所)

 恐れられていた鳥インフルエンザのヒトへの感染がついに現実のものとなってしまいました。まだ変異をとげてヒトからヒトへ感染したケースは報告されていませんが、もしもそのような事態になると死者が17万人から60万人程度出るという予測もあります。これは過去のインフルエンザの大流行からすると決して誇張した数字とはいえません。
 新型インフルエンザがなぜ怖いのか、そのわけがわかっていればそれに対処する方法もわかります。この機会に私たちを取り巻くインフルエンザの脅威について理解しておきましょう。

 2005年10月に世界保健機構(WHO)の事務局長が、「新型ウイルスはいつ出現してもおかしくない。鳥インフルエンザが変異してヒトからヒトへ感染するようになる可能性がもっとも高い」との見解を示しました。
 鳥はA型ウイルスのすべての型の宿主です。鳥のウイルスはヒトには感染しないとされてきました。しかし、ブタには感染します。ブタとヒトとはウイルスが感染するので、鳥インフルエンザウイルスとヒトインフルエンザウイルスの両方に感染したブタを宿主に、交雑したウイルスが生まれる可能性があります。それはブタからヒトへ、そしてヒトからヒトにも感染するタイプになる可能性が高いということになります。
 東南アジアでは、鳥(鶏やカモ)とブタを一緒に飼っているところが多く、そこが発生源になるだろうと推測されています。
 しかし、さらに事態は切迫して来ました。ヒトには感染しないとされてきた鳥インフルエンザですが、鳥からヒトに直接感染した例が生じていることです。2003年10月から2005年11月18日までに判明している鳥インフルエンザの感染者は130人、そのうち死亡は67人で、その後も犠牲者が出ています。ブタを介さなくてもヒト→ヒト型のインフルエンザが生じる可能性も否定できません。

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 なぜ新型インフルエンザは怖いのか

 新型インフルエンザとは名前の通り、それまでに流行がなかったウイルスタイプのインフルエンザです。それまでに流行していないということは、免疫抗体を持っている人がいないということになります。これは感染がとめどもなく広がるということを意味します。そのために、単に個人の健康のみならず、社会システムも破綻するおそれがあるということです。
 過去においてもインフルエンザの大流行が幾たびかありました。もっとも被害が大きかったのは、第一次世界大戦中の1918年に流行したスペインかぜで、死者は4,000万人〜5,000万人といわれます。戦争での犠牲者数1,800万人の倍以上がインフルエンザで亡くなりました。日本では約2,380万人(当時の人口の約50%)が罹患し約39万人が死亡しました。その後もアジアかぜ(1957年)で100万人、香港かぜ(1968年)で75万人が亡くなっています。当時よりも防疫体制や衛生習慣が普及している一方で、交通機関が発達し国際的な流通も格段に発達しているので、一気に拡大する危険性は昔の比ではありません。スペインかぜが世界中に伝搬するのには2〜3ヵ月かかったと言われますが、現在では1週間もあれば世界中に到達するでしょう。
 もっとも危険にさらされるのは、医療業務従事者ですが、彼らが倒れると治療体制が破綻します。大量の感染者が出ると、病院も収容しきれなくなり、各種の公共施設を臨時の病棟にすることも考えられています。そのような事態になれば、爆発的に流行し、消防、ゴミの回収、治安維持、食品の製造・販売等という生活基盤にも支障が出ることになるでしょう。

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 新型インフルエンザへの対処

 基本的にはインフルエンザやかぜへの対処と同じです。異なるのは、決め手となるワクチンが製造されるまでたいへん時間がかかるということです。したがって一般のインフルエンザやかぜに対するよりもず〜っと予防に重点をおく必要があります。
 SARSが流行したときにも早いワクチンの開発が求められましたが、まったく間に合いませんでした。ウイルスを同定し、ワクチンを開発するまでに早くても6ヵ月を要するとされます。それから製造に要する時間と、ワクチンを接種してから抗体ができるまでの時間を足すと、早くても8ヵ月、すべての人に行き渡るには1年以上を要するでしょう。
 現在、西洋医学的にはタミフルの服用を唯一の予防法とし、大量に備蓄しようとしていますが、耐性ウイルスはできないとされていたタミフルにも耐性ウイルス出現の報告があり、タミフル服用の児童にインフルエンザ脳症が出た問題もまだはっきりとは解決していないようです。また、タミフルを服用してもウイルス抗体はできませんので、収束するまでタミフルを飲み続けなければならないという問題があります。飲み続けていれば耐性ウイルスの出現可能性が高まります。
 となると各自の抵抗力(バリア・パワー)を高めておくという予防法がたいへん重要になってきます。
 基本的には、ウイルスに近寄らないようにし、抵抗力(バリア・パワー)を高めておいて、感染しても発症をしない、もしも発症しても軽く済ませる体作りをこころがけることです。

予防の基本はウイルスに近づかないこと
 ・ウイルス発生地への不要な旅行は避ける。
 ・人混みへは行かない。
 ・手洗い、うがい、顔(目)洗い、マスク

バリア・パワーを備える
 新型インフルエンザといえども、ヒトの体の防衛力は働きます。
 ・ウイルス、細菌、異物などを排出しようとする上気道の粘膜の繊毛活動と粘液分泌を活発にする。
 ・免疫抗体反応を、活発にかつ正常に機能するように免疫力を高める。
 ・発熱などの抗ウイルス生体反応が生じたときでも体力が維持できるように体調を整え生命力をつける。

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 中医学によるバリア・パワーを高める方法

 インフルエンザ、かぜの項で説明した通りです。国が防疫体制を厳重にして水際で感染者の侵入を食い止めるように、体も粘膜でウイルスの侵入を阻止することです。
 そのような働きを中医学(中国漢方)では「衛気(えき)」(体を衛る元気)といい、衛気を高める処方には、黄蓍を中心とした構成された衛気を益(ま)す効能を持つ処方・玉屏風散が有名です。
 中国の要人の家では、外部からの攻撃に備え、門のすぐ内側に堅固な石造りの屏風を置きましたが、それが玉屏風です。まさに外部からの侵入を阻止することを目的とした漢方薬です。
 衛気はエネルギーの一種であり、栄養を十分に摂る必要があります。高齢者の場合、食が細くなって体の抵抗力も落ちてしまうのですが、玉屏風散には胃腸の働きを助ける生薬も配合されており、高齢者や虚弱体質の方、ダイエット中の方、激しい労働やスポーツで極度に体力を消耗する方などには特に向いているかも知れません。
 老化したり体調のバランスが崩れて抵抗力が落ちている人の場合は、まず、体力をつけ、体が持っているバランス補正機能を助けて体調を正常化する必要もあります。漢方薬は、こうした分野に優れていますから、心配な方は中医学(中国漢方)の知識、経験が豊富な医師や薬剤師に相談されるといいでしょう。

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